はじめに
詐欺師たちは、高齢者を狙って次々と新しい手口を繰り出しています。特に、高齢者は「電話での詐欺」や「訪問販売による詐欺」に巻き込まれやすいと言われています。
それにはいくつかの理由があります。高齢者は、電話や訪問に対して比較的信頼しやすく、詐欺師の巧みな話術に乗せられてしまうことが多いのです。また、最近ではインターネットやスマートフォンを使った詐欺が増え、特にオンライン詐欺に不慣れな高齢者にとっては、注意が必要です。
家族が一緒にできる対策としては、親子で事前に対策を話し合うことが重要です。詐欺の事例を共有し、万が一の時にすぐ相談できる環境を整えることが、被害を防ぐ大きな鍵となります。
また、迷惑電話を防止するためのアプリや、怪しいメッセージをブロックする機能など、スマホの活用も効果的な対策の一つです。
本記事では、高齢者を狙った詐欺の最新手口を紹介するとともに、家族でできる効果的な対策法を詳しく解説します。これらの方法を取り入れることで、詐欺に対する備えを強化し、安心した日常を送ることができるでしょう。
高齢者を守るために知っておきたい詐欺の特徴
高齢者が騙されやすい理由
高齢者が詐欺に巻き込まれやすい理由はいくつかあります。
まず、詐欺師は高齢者がもつ「人を信頼しやすい性格」を利用します。特に、昔の価値観を大切にする世代は、見知らぬ人でも丁寧に応対する傾向があります。このような性格を詐欺師は巧みに操り、少しずつ情報を引き出してゆくのです。
また、詐欺師は高齢者の「孤独感」にも目を付けます。高齢者の中には、話し相手が少なく、一人で過ごす時間が長い方も多くいらっしゃるのが現状です。
こうした方々に対して詐欺師は親しげに話しかけ、相手が孤独を感じていることを察知して接近してきます。徐々に信頼関係を築き、詐欺を仕掛けてゆく、といった手口なのです。
詐欺師が高齢者をターゲットにする心理
高齢者が「インターネットやデジタル技術にあまり詳しくない」点にも詐欺師は注目しています。スマートフォンやパソコンを使いこなすのが苦手な世代にとって、オンライン詐欺やフィッシング詐欺は非常に難解で、すぐに見破ることが難しいケースが多いです。
詐欺師はこの点を利用し、オンライン上で個人情報や金銭を騙し取ろうとします。
また、詐欺師は高齢者が「記憶力や判断力に若干自信がなくなっている」ことにも注目しています。実際には、記憶力や判断力はしっかりしていらっしゃる親御さん世代であっても、突然の電話や訪問で緊急性を煽り、冷静な判断をさせないように仕向ける手口が多いのです。
「早く手続きをしなければお金が失われる」などと言って、急がせて契約や振り込みをさせる手法は非常に多く報告されています。
家族で話し合うべき重要なポイント
詐欺から高齢者を守るためには、家族が一丸となって対策を取ることが重要です。
特に、以下のポイントについては家族で事前に話し合っておくことをおすすめします。
親御さんが一人で判断しないよう、家族に必ず確認するというルールを決めておくことで、被害を未然に防ぐことができます。
突然「お金を振り込んでほしい」という要求があった場合、詐欺の可能性が高いです。家族で決めたルールに従って、慎重に確認をしましょう。
詐欺の手口は常に進化しています。家族で最新の詐欺事例を共有し、お互いが新しい詐欺手口に注意するよう心がけることが大切です。
最新の詐欺手口にどう対応する?
振り込め詐欺の進化した手口とは?
振り込め詐欺は、高齢者が特に巻き込まれやすい詐欺の代表的な手口です。が、その手法は年々進化しているのが現状です。
ひと昔は、犯人が家族や親族を装って電話をかけてくる「オレオレ詐欺」が主流でしたが、最近では、より巧妙で複雑な手口が使われるようになりました。
例えば、「金融機関」や「警察」を名乗る詐欺が増加しています。「あなたの口座が不正利用されています」や「預金が危険な状態です」といった話を持ちかけ、犯人は銀行員や警察官に扮して、被害者にお金を引き出させたり、預金を移すよう指示します。こうした手口は非常に説得力があり、以前よりも信じやすく巧妙なため、対策が不可欠です。
最近急増している特殊詐欺の実例
近年増加しているのが、「特殊詐欺」と呼ばれる、従来の振り込め詐欺とは異なる手法を使った詐欺です。例えば、最近注目されているのが、次のような詐欺です:
- 架空請求詐欺
インターネットを使って「未払いの料金があります」といった偽の請求を送り付け、支払いを要求する手口。請求書がリアルに作られているため、詐欺だと気づきにくいケースがあります。
- ショッピングサイト詐欺
偽のオンラインショッピングサイトを作成し、商品を購入させて代金を振り込ませるが、実際には商品が届かないという詐欺。
詐欺の進化:新しい手法にどう対応するか?
上記の詐欺の手口の他にも、最新の技術や流行を取り入れるようになっています。
例えば、最近ではQRコードを使った詐欺や、フィッシングメールを巧みに使った手口も増えています。
詐欺師たちは、時代に合わせて新しい手法を生み出し続けているため、常に最新の情報を把握することが重要です。
詐欺に遭った時の相談窓口と対応法
被害に遭った場合にまず相談すべき窓口
もし万が一、詐欺被害に遭ってしまった場合、まずなにをすべきでしょう?
それは…冷静に対応することです。
そうはいっても「冷静になんてなれないよ!」という状況であることは間違いありません。
そのため、被害を最小限に抑えるために適切な窓口に早急に相談し、対応を取る順番を、家族で共有して事前に何度も話しておきましょう。
下記は、詐欺被害に遭った際にすぐに相談すべき窓口です。
自治体や警察のサポートを活用する
多くの自治体や警察は、高齢者を対象にした詐欺防止のためのサポートを提供しています。これらのサポートを活用することで、詐欺被害に遭った場合でも安心して対応できます。
- 詐欺防止講座やセミナー
自治体が主催する詐欺防止講座では、実際の詐欺事例を学びながら、どういった手口に注意するべきかを教えてもらえます。また、こうした講座では、相談窓口や対応策についての情報も得られるので、家族で参加するのも有効です。
- 警察による被害サポート
詐欺被害が発生した際、警察は捜査を行うだけでなく、被害者のメンタルケアや、再発防止に向けたサポートを提供します。特に高齢者の場合、警察と連携し、迅速に対応することが大切です。
家族がサポートするための準備
詐欺被害に遭った高齢のご家族を支えるためには、家族がサポートが不可欠です。下記は具体的なアクションですので、ご参考にしてみてください。
- 家族の間で情報を共有する
詐欺に遭った際、家族全員で状況を共有し、次のステップを決めることが重要です。誰が何を担当するかを話し合い、対応に漏れがないようにしましょう。
- 定期的に最新の詐欺手口を確認する
詐欺の手口は進化し続けています。家族全員で、定期的に詐欺手口についての最新情報を確認し、対応策をアップデートすることが大切です。これにより、再発防止に努めることができます。
まとめ
詐欺被害は年々巧妙化し、特に高齢者がターゲットにされるケースが増えています。しかし、家族でしっかりと対策を講じ、詐欺の手口を事前に把握しておくことで、被害を未然に防ぐことができると信じています。
この記事では、高齢者を守るための詐欺の特徴や、最新の手口、詐欺に遭った時の対応策についてお話しました。
詐欺の対策として重要なのは、家族が協力して詐欺に対する情報を共有しておくこと。そして、万が一怪しい連絡が来た時にすぐ相談できる環境を作ることだと身をもって感じています。
私自身の経験と教訓で恐縮ですが…私の高齢の母親が電話を受けた際、詐欺かどうか見抜けない相手からで特にものすごく疑っていたわけではありませんでしたが、次のことを事前にしておいたことで詐欺と見抜けて回避できた、という事例がありましたのでご紹介させてください。
家族でなにげなく話す世間話のなかで、【もし電話がきたらどう受け答えするか?のシミュレーション】をしておりました。
具体例のひとつを挙げますと、「ちょっと〇〇ちゃん(兄の名前)、ガスの火を見ておいてくれる?」や「〇〇ちゃん、お知り合いからお電話よ?代わってくれる?」とわざと電話の相手に聞こえるように話して、独り暮らしであることがわからないようにするための方法を話しておりました。
上記は、詐欺まがいの電話に対する家族での事前共有について私自身のお話をひとつだけ触れさせて頂きました。
他にも、迷惑電話を防止するアプリや設定方法についても、事前に家族で共有したり一緒に設定を行う方法を行いましたので、そちらにつきましては別の記事にて詳細に設定方法を含めてお伝えさせて頂きますね。
詐欺の手口は常に変化していきますし、今後もこの流れを止めることができないのが悲しい現実です。
とはいえ、最新の情報を知りながら、家族で一緒に対策をし続けることで被害を防げますし、この事前の取り組みが大切な鍵となります。
私の家族もそうですが、これからも安心して生活できる環境を整えてゆきましょう。