はじめに
今日は、実際に筆者がつい最近、遭遇した詐欺手口についてお話します。普段から気を付けて生活をしている身なので大丈夫と思いたいところですが、残念ながら、それでも怖いと感じてしまう点がいくつもありました。
私たちビジネス世代は詐欺電話にひっかからないから大丈夫だよと思っていても、親御さんや高齢の世代はどうでしょうか?まったくもって冷静に対応できます、と言い切れるでしょうか?
高齢の親を持つビジネス世代にとっても他人事とは言えない事例かと思います。先日筆者あてに着信があった事例をもとに、怖い点と対応策をお伝えします。ぜひご家族でいま一度、話しのネタとしてでも良いですので、一緒に話をしてみてください。
今月、実際着信を受けた番号は2件です。今日はそのうちの1件目についてお話して概要をつかんでいただければと思います。
それでは、事例を細かく見てゆきましょう。
実際にあった最新の詐欺電話(電話編)
ゴールデンウイーク明けの先日、筆者の携帯電話に着信がありました。仕事中にプライベートの携帯電話にかかってきましたので、着信に気づきましたが仕事中のためすぐに対応できず、あとで確認して折り返ししようと思い、その時は留守番電話に録音されている状態を見届けただけでした。
電話の内容とは?
休憩の時、先ほどの着信からの留守番電話を確認したところ、知らない番号からでした。
着信の電話番号は+97…、通常国内外とやり取りしている筆者はとっさに+マークで始まる番号は海外からだと認識しましたが+97がどこの国か?については記憶になく、普段やりとりしている海外の取引先企業からではないことは歴然としていました。
続いて、録音されている留守番電話を聞いてみようと再生したところ、留守電に残されたメッセージは、次のような内容でした。
以下、留守電メッセージの音声を聞き取った原文のまま記載します。
——————-留守電メッセージ—————-
NTTからの重要なお知らせです
現在ご利用中の電話番号
————–留守電メッセージ終わり—————-
電話の特徴とは?
留守番電話を聞き終わったとき、つぎの点が変だなと感じました。
日本語として変
「NTTからの重要なお知らせです」←この日本語がおかしい!と感じました。
理由は複数ありますが、まずNTTという名称で企業から電話がかかってくることはありません。NTTドコモ、NTT東日本等、NTTはグループ企業で構成されていますので、NTTという企業名は実在しないのです。
次に、「重要なお知らせです」という内容です。重要なお知らせであれば、それまでに複数回、書面ないしショートメール等の登録メールにお知らせが届いているはずです。初回のお知らせで重要なお知らせが届くことはなく、しかも電話で知らされる内容ではないはずです。
日本企業ではありえない内容で変
「2時間後に停止いたします」←この対応もおかしい!と感じました。
初めてきた着信で録音された留守番電話において、「2時間後に停止いたします」という対応をとる通信会社はありません。
仮に料金の滞納などで対応措置をとられる場合であっても初回の電話でいきなり停止の処置は無いです。
着信番号が変
詐欺かなと気づいても怖い点
とっさに電話にでてしまったら?
今回は仕事中でプライベートの携帯電話に着信があり対応できませんでした。でももし、これが仕事用の電話だったとしたら?海外からの着信もふだん仕事上ある筆者は、忙しい時に他のことをしながら着信がきたら、ちゃんと番号をみて出る・出ないの判断を完璧にできるか?と問われると正直自信なかったかもしれません。
留守番電話の内容に誘導されてしまったら?
詐欺電話に対する対応策
知らない番号には出ない
何度も口酸っぱく言われていることですが、「知らない番号」「登録していない番号」には出ないことです。
本当に大切な電話であれば、留守番電話に録音するはずです。電話が切れたあとに、ゆっくり聞いて対応すればよいのです。
忙しい時はあせって電話に対応しない
忙しくてつい、着信番号をきちんと確認せずに電話を取ってしまうことがないよう、忙しいなら、まずは手元のことがいったん落ち着いてから着信のあった電話に対応しましょう。
上記でもお伝えしましたが、大切な電話であれば留守番電話に録音されるはずですし、留守番電話の設定にしていない場合には、再度かかってくるはずです。
怪しいなと感じたら家族・警察(#9110)に連絡する
なんか変だな、怪しいな…と感じたら、まずは自分の中でとどめるのではなくご家族に連絡をする習慣が必要です。
ビジネス世代は大丈夫であっても、親御さん世代に「どんな些細なことでも話してもらえる」ようお伝えしてあげてください。親御さん世代はつい「こんな電話にひっかかってしまったなんて子に知られたら、叱られてしまうかも、馬鹿にされるかも…」と思ってしまいがちだからです。老若男女だれにでもスパム電話の対象となりえる今の時代です。でもひっかかるかどうかは、ちゃんと対応できるかどうかによって変わります。
もしも、ご家族で話すタイミングがすぐに持てない時には、警察(番号#9110)に電話してもらうよう促してください。怪しいなと感じたら電話してください、と警察庁が注意喚起しているので躊躇する必要はどこにも見当たりません。
もしうっかり何かのひょうしに電話にでてしまった場合にも同じです。まずは家族・警察(#9110)に連絡してください。
携帯電話を設定しなおして対策
電話番号をブロックすると同時に、普段海外と電話で連絡することがない方が対象となりますが【海外からの電話の利用休止】をしてください。
家族で一緒に対応策を話して確認する
電話に出るとこわいこと
今回のケースのようなスパム電話は、相手はランダムに架電しており一件ごと都度架電しているわけではありません。では、もしうっかり出てしまったらどうなるのでしょう?
電話がつながった番号に対して、「この番号は(詐欺に)有効な番号」として認識され、のちに詐欺の対象として登録されてしまいます。もしうっかり何かのひょうしに電話にでてしまったら、まずは家族・警察(#9110)に連絡してください。そして、電話番号をブロックすると同時に、普段海外と電話で連絡することがない方が対象となりますが【海外からの電話の利用休止】をしてください。
達観しないことが大切
自分と家族で情報を共有する大切さ
今回の着信で、筆者はすぐに高齢の母に連絡しました。まだ同様の電話はかかってきていないようでしたが、注意喚起と対応策をあらためて伝えました。
自分の身近な人に着信があったと知り、ちょっと怖がっていましたが、怖がらせたいのではなくアラームを伝える必要性のほうを優先すべきと感じました。
今回のことは兄弟にも情報共有しました。“のど元過ぎれば熱さを忘れる”…にならないよう、今後もちょこちょこ家族で話をするつもりです。
対応策まとめ
今回のような「知らない番号からの着信」に対する対応をまとめました。
- 知らない番号には出ない
- 忙しい時はあせって電話に対応しない
- 怪しいなと感じたら家族・警察(#9110)に連絡する
- 携帯電話を設定しなおして対策
- 家族で一緒に対応策を話して確認する
- 達観しないことが大切
最後に、大切なことなのでもう一度お伝えします。犯罪の手口は老若男女誰対しても襲ってきます。自分は大丈夫という思いが一番危険です。実際にビジネス世代は大丈夫であっても、親御さん世代に達観する癖が伝播してしまいかねません。
いつどんな時に不意打ちでこられても、落ち着いて対応するためには、油断しないこと、家族ですぐ連絡をとりあうこと、警察への連絡を躊躇しないことです。
どうか詐欺被害に遭遇されないことを切に願っております。