はじめに
日々のニュースで知る詐欺の事件は、日増しに手口が巧妙になっており、高齢者を狙った詐欺被害が後を絶ちません。被害を防ぐためには、日常的な親子のコミュニケーションが非常に重要です。
高齢の親が詐欺に巻き込まれないように、家族で「合言葉」やルールを事前に決めておくことは、詐欺師の思惑を回避したり、警察が到着するまでの時間稼ぎをする手立てになるはずです。
こちらの記事では、詐欺を未然に防ぐための家族で決めておく合言葉や、親子で実践できるコミュニケーションのルールをご紹介します。家族が協力して高齢者を守るための具体的な方法を考えましょう。
詐欺防止のための合言葉を作る重要性
なぜ合言葉が詐欺防止に役立つのか?
長年使い古されているにもかかわらず、いまだに無くならない詐欺の手口に、家族を装って金銭を要求する「オレオレ詐欺」や「振り込め詐欺」があります。
これらの手口が無くならない理由、それは、今もこれらの手口を用いて詐欺者が騙すことができるという事実があるからでしょう。実際、毎日のように「オレオレ詐欺」や「振り込め詐欺」による事件が発生しており、警察庁のアプリでも報告が掲載されております。
この手の詐欺を防ぐために効果的な方法。それは、あらかじめ決めておいた合言葉を駆使することで、いざというときにも詐欺師だと見破ることができ、犯罪から身を守ることができるのです。合言葉を決めておくことで、家族なのか詐欺師なのか、電話の主を見抜く手段となって正しく判断することができ、ひいては騙されることを防げるのです。
- 合言葉が効果的な理由:家族間で決めた合言葉は、家族か詐欺かの判断基準。いざというときに落ち着いて正しい判断ができて怪しい人物かどうかを見破ることが可能です。
家族間で決めておくべき合言葉の使い方
合言葉を作るうえでのポイントとして、家族全員が覚えやすく、かつ家族しか知らないものにすることが重要です。たとえば、家族の間でしか共有していない思い出やイベントに関連するもの等です。
電話口や訪問者など、急に対応を迫られる場面であっても、すぐにイメージとして思い出せるものが、合言葉に向いているのです。
そして、合言葉を家族で話し合う時、「振込」に関わる話が出たときにはこのパターン、「金銭の手渡し」の話が出た時にはこのパターン等、事件を想定して合言葉を考えておくと、緊張した際にも合言葉がすぐに思い出せます。
そして、もしも想定外のパターンで詐欺師から連絡を受けた場合や、すぐに合言葉が思い出せなかったとしても焦らずにじっくり構えることを覚えておきましょう。こちらが言葉を発するのではなく、肯定も否定もせず、ゆっくりと相手の出方を観察します。話さず観察することで、徐々に相手が詐欺ではないか…と気づいて慎重になれるからです。
- 合言葉の使い方:
- 電話やメッセージで金銭を要求されたときに、必ず合言葉を確認する。
- 公式な手続き以外で個人情報を伝えないルールを作る。
- 合言葉が思い出せない、または確認できない場合は、詐欺の可能性が高いと判断して対応を慎重にする。
緊急時にもすぐに確認できる合言葉の設定法
緊急時にすぐに使える合言葉を設定するためには、覚えやすく、すぐに確認できるものにすることが重要です。また、あらかじめ家族で合言葉を話し合い、全員が合意した上で設定することが大切です。
- 合言葉を作るときのポイント:
- 家族でよく話題にしている内容や共通の思い出から合言葉を選ぶ。
- 定期的に合言葉を見直し、新しいものに変更することも効果的です。
親子でできる詐欺防止のための話し合い
日常的なコミュニケーションの大切さ
ここまで合言葉についてお話してきましたが、まずは日々のコミュニケーションを家族でとりあうことが、詐欺を防ぐための最初のステップです。
親子で定期的に連絡を取り合い、疑わしいと感じる出来事や金銭に関わる話があった場合に気軽に相談できる環境を作っておくのです。
詐欺の手口は高齢者の心理を利用するケースが多く、そのため親世代を孤立させることなく、安心して家族に相談できる環境を整えることが、詐欺から守る一歩なのです。
- 親子のコミュニケーション対策:毎日短時間でも電話やメッセージを通じて連絡を取り合い、状況を確認し合う習慣をつける。
親子で相談し合える信頼関係を築くコツ
詐欺を未然に防ぐためにも、親子間でごく日常的な話題や情報を話して、何かあったときにはすぐに相談し合える関係を築いておきたいです。日々の生活のなかで、親が安心して子に相談できるような雰囲気を作り、些細なことでも相談できる環境を整えておくと安心ですね。
- 相談しやすい関係を築くコツ:
- 親が話しやすい雰囲気を作るため、定期的に雑談や日常の話をする。
- 詐欺についての知識を共有し、不安を取り除く。
家族間で守るべき詐欺防止ルール
金銭の話が出たら必ず確認するルール
詐欺被害の多くは、金銭の話が突然持ち出されたときに発生します。そのため、家族間で金銭に関する話が出た際には、必ず事前に確認するルールを設けることが重要です。例えば、金銭の要求があった場合、すぐに家族全員で連絡を取り、状況を確認する習慣を作りましょう。
- 家族で決めておくルール作りの例:
- 金銭に関わる話があった場合、家族全員に共有する。
- 合言葉を使って、本人確認を必ず行う。
知らない電話やメッセージには応答しない習慣を作る
知らない番号からの電話や不審なメッセージには応答しないことを徹底することも、詐欺を防ぐためには重要なルールです。特に高齢者は、突然の電話に対応しやすい傾向があるため、家族でこの習慣を作りましょう。
- 家族で共有したい習慣の一例:
- 不明な番号からの電話には応答せず、家族に相談する。
- メッセージに不安がある場合は、必ず家族に相談する。
怪しい場合は家族にすぐ相談するルール
怪しい電話やメッセージが来た場合は、すぐに家族に相談するルールを作ることが効果的です。何か不審に思ったら、独断で対応せず、必ず家族と話し合う習慣を作りましょう。
- 怪しい電話やメッセージを受け取ったら、すぐに家族に報告する。
- 一人で判断せず、必ず確認してから対応する。
まとめ
詐欺から高齢者を守るためには、家族間で合言葉やルールを作り、しっかりと共有することが大切です。特に金銭に関する話が出た際には、合言葉を確認するなど、詐欺師を見破るための対策が必要です。また、日常的な親子のコミュニケーションを大切にし、怪しい状況があった場合にはすぐに相談できる環境を整えましょう。
家族で協力し、安心できるコミュニケーションを通じて、詐欺被害を防ぐための具体的な対策を実践していきましょう。