はじめに
年金や投資を狙った金融詐欺は、現金を取り扱う種類の詐欺で、連日犯罪の事例が報告されています。年金の受給対象者、そして老後の資産を守りながら増やしてゆきたい気持ちを逆手にとった非常に悪質な犯罪といえます。
毎日のようにこの手の犯罪報告がテレビでニュースになっているにもかかわらず、あとをたたないのはなぜでしょうか?
この記事では、高齢者向けの金融詐欺の手口とその対策を具体的に紹介し、家族で協力して詐欺から身を守るための方法を提案してゆきたいと思います。
年金を狙った詐欺の手口とは?
年金受給者を狙う詐欺師の手口
年金の受給対象者は、まとまった金額が定期的にあることから、安定した収入があると見なされるため、詐欺師にとって格好のターゲットとなっています。
そこで詐欺師たちは、公的機関を装って「年金の手続きが必要です」や「年金受給額が変更されました」といった連絡をして、個人情報や金銭を騙し取ろうとする手口が年金詐欺なのです。
- 具体的な事例:年金事務所や市役所を装い、年金支払いの変更手続きを要求し、金銭を騙し取る。
年金手続きに関する詐欺メールや電話の見分け方
年金に関する詐欺は、メールや電話で行われることが多いです。公的機関が通常行わないような金銭の要求や、急ぎの対応を促すような連絡が来た場合には、詐欺の可能性が高いです。
騙されないための対策
本物の年金事務所からの連絡は、決してメールや電話で急に金銭を要求することはありません。
必ず公式の書面に記載の連絡先をご家族と一緒に確認するようにしましょう。
偽の年金アドバイザーによる詐欺事例
年金アドバイザーやコンサルタントといった肩書きを装う詐欺師も存在しています。この手の詐欺師は、「年金受給額を増やせる」といった言葉で言葉巧みに信用するように仕向け、手数料と称したアドバイザーフィーを請求し、そのまま多額の金銭を騙し取るケースがあります。
騙されないための対策
年金に関する相談は、信頼できる公的機関や正式な認可を受けたファイナンシャルプランナーにのみ行うことが大切です。
見分けがつかない場合には、まずご家族に相談することが、なによりも肝要です。
投資話を利用した詐欺のリスクと見分け方
シニア世代をターゲットにした投資詐欺とは?
高齢者をターゲットにした投資詐欺は、特に高額なリターンを謳い、損はせず利益がでますよ、ということで興味を引きます。魅力的な投資話を持ちかけ、最初は少額を投資させて信頼を得た後に、多額の金額を騙し取るという手口が一般的です。
具体例:投資セミナーや電話勧誘で「短期間で元本保証付きでリターンが得られる」といった話を持ちかけ、資金を騙し取る。
高額リターンを謳う詐欺投資話の特徴
詐欺の投資話には共通して、高額リターンを保証するといった魅力的な内容が含まれます。そもそも高額リターンが保証される投資はありません!必ずリスクを伴います!よって、リスクがない、またはリターンが短期間で得られるという話は詐欺である可能性が高いです。
- 詐欺の投資話の特徴:
- リスクなしで高額なリターンが保証されている。
- 急いで投資を勧めてくる。
- 口座やクレジットカード情報を求めてくる。
投資先やアドバイザーの信頼性を確認する方法
信頼できる投資話であるかを確認するためには、投資先やアドバイザーの認可状況を調べることが重要です。金融庁や公的機関のウェブサイトで投資会社やアドバイザーの登録情報を確認することができます。
騙されないための対策
金融商品取引業者が金融庁に登録されているかどうかを確認する。また、身近な家族や信頼できる専門家に相談する習慣を持つ。確認の方法がわからない場合には、まずはご家族にご相談することが大切です!
決して詐欺師の誘導に乗って即決しないことがなによりも重要です!
金融詐欺を防ぐために家族ができること
年金や投資に関する疑わしい話を確認する習慣
高齢者が金融詐欺に巻き込まれないためには、疑わしい話があった時にすぐ家族に相談する習慣を持つことが重要です。ご家族が協力して情報を共有し、詐欺のリスクを避けるための体制を整えることが大切だと身をもって筆者は感じております。
- 対策:家族で定期的に高齢者の年金や投資関連の情報を確認し、詐欺の兆候がないかをチェックする。
家族で詐欺を防ぐための事前の対策
家族が詐欺に対する認識を共有し、事前に対策を講じておくことが、詐欺被害を未然に防ぐ重要な要素です。詐欺の兆候や手口について、家族全体で理解を深めることが大切です。
- 対策:家族で詐欺防止に関する情報を共有し、金融取引の際には常に家族で確認し合う。
詐欺被害に遭った場合の相談窓口と対応法
それでも、万が一詐欺に遭ってしまった場合には、すぐに対応することが重要です。詐欺被害が疑われる場合には、消費者ホットラインや警察のサイバー犯罪相談窓口に連絡をし、早期に対策を講じることが必要です。
なお、対応方法の詳細につきましては、別の記事にて詳しく取り上げておりますのでご参照ください。
相談先:
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- 消費者ホットライン:不審な取引や詐欺に関する相談を受け付ける。
- 警察の「サイバー犯罪相談窓口」:詐欺被害に対する対応や相談を行う。
まとめ
年金や投資を狙った金融詐欺は、高齢者にとって非常に危険です。しかし、ご家族が協力して疑わしい話が出てきた際には必ず確認し合うことで、詐欺のリスクを確実に減らすことができるのです。
年金や投資関連の話など、金銭の取り扱いに関する話があった場合には、公式な情報を必ず確認し、怪しい内容には決して手を出さないことが重要です。
家族で協力しながら、詐欺のリスクを共有し、安心して年金や投資を管理できる環境を作ってゆけることを切に願っております。